まずは主食の確保から

都市から田舎へ移住する人の多くは、農業に従事することを目標としています。そして、最終的な目標として自給自足の生活を掲げている人も少なくありません。日本に限らず、現在のような社会的なシステムが構築される以前は自給自足という生活スタイルは一般的なものでした。また、現在でも国や地域によってほぼ自給自足で生活をしている人も少なくありません。 しかし、現在の日本において本当に自給自足の生活は可能なのでしょうか?ここでは私の実際の生活なども踏まえて検討してみたいと思います。



まずは主食の確保

自給自足の生活を始める上で絶対に必要となるのが主食の確保です。日本人の主食は米ですので、家族全員が一年間で消費する米を確保しましょう。ご存じのとおり、米は水田で作られます。しかし、面積当たりにどのくらいの量の米がとれるのか、ということはあまり知られていないようです。

答えから言ってしまいますと、1平方メートルあたりで約500gの米を収穫することができます。銘柄や気象状況によっては多少変動することもありますが、この数字を基本として考えてみましょう。

日本人が1年間に消費する米の量は平均して約60キロ前後です。ですので、たとえば4人家族であれば最低でも年間240キロの米を確保しなければなりません。

この数字を元に必要な水田の面積を計算してみると580平方メートルとなります。自給自足の生活を送りたいのであればまず、最低でもこの面積の水田を購入するなり、借りるなりしなければなりません。



必要な労働力

当たり前ですが、水田を用意するだけで米が勝手にできるわけではありません。春に苗床をつくり、初夏に田植をし、夏には消毒などの管理を行い、そして秋の稲刈りを経てようやく米を手に入れることができます。

一年分の米を確保するために必要な580平方メートルの水田をフルに使って米を収穫するのに必要な労働力はどのくらいのものなのでしょう。

数字にすれば途方のないものに感じられるかもしれませんが、実際にはこの程度の面積の水田であれば他の仕事をしながら片手間で稲作をしている人も少なくありません。もちろん、人を雇うこともなく1人でも十分に可能です。

人によってはその倍以上の面積の水田で、1人で稲作をしていることもあります。農繁期に家族の手を借りることができれば、あまり経験がない人であっても不可能ではありません。

しかし、ある程度の規模の水田で稲作をする場合には田植え機や稲刈り器などの高価な農機具が必要となることも忘れないようにしましょう。新品で購入する場合、これらの農機具は高級外車よりも高価な場合もあります。本格的な稲作を始めるにはそれなりの金銭的な投資も必要となります。

自給自足の生活を送る上で、最初の課題となる主食・米の確保ですが、このように計算してみると絶対に不可能なわけではありません。しかし、農機具などをまったく持っていないゼロの状態からスタートするのであればかなり多額の金銭的な投資が必要となることを覚悟しておきましょう。

あまり自信がないのであれば、最初は会社組織で農業を行っているところに勤めてノウハウを学びつつ、資金を貯めてみるのも良いかもしれません。また、地域によっては自治体や農協などで就農者支援のシステムを用意していることもありますので、情報を集めてみましょう。

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